検索する

 おはようございます!!バスマニアックス中のヒト、「まる」です。
今回は、廃止されてしまった路線ではありますが岐阜県のJR高山線下呂駅から飛騨小坂を経由し、標高約1,800mの御嶽山7合目に位置する濁河(にごりご)温泉間を走る山岳路線であった濃飛乗合自動車の御岳線にスポットを当ててみましょう。

1.濃飛乗合自動車御岳線
 冬季は豪雪に見舞われ夜間通行止め区間を走る過酷な路線環境ながら、四輪駆動のバスが通年運行しており、温泉街へ向かう観光客の利用や山岳エリアの住民の「生活インフラ」として頼もしい存在でありましたが、片道2時間の長距離路線で前々日までに電話での利用申し込みが無い場合は運休となるハードルの高さもありました。

事前電話予約を知らせる車内掲示

御岳線乗車券

2.四輪駆動の専用車両
 夏季は一般的な中型の路線バス車両も走る御岳線でしたが、冬季は四輪駆動の小型路線バス車両が御岳線の主として活躍していました。
無骨な足回りを支えるボディとのミスマッチからこの路線の特殊事情が窺えます。

三菱ローザ BE(4WD)
 

 
 

四輪駆動モデル特有の腰高なプロポーション
※夏季

小型車の限られた運転席周りに、
路線バス装備が所狭しと並びます

 
 

3.飛騨小阪からは山登り

 下呂市内中心部より飛騨川の流れにそって北上、飛騨小坂からは御嶽山中腹を目指し山岳道路へと進めます。
御岳線の乗務員行路は宿泊を伴う勤務となっていたことで、翌日の予約状況や車両ローテーション、そして路面コンディションを考慮した乗務員交替、車両交換が途中で行われていました。

途中の景勝地では車両交換
※夏季

ガードレールの下は、これは想像したくありません
※夏季

車両交換の無い日は休憩時間
※冬季

4.そして路線バスの終点、濁河温泉へ

 JR下呂駅より約2時間、標高1,800mの日本最高所の温泉街である濁河温泉(旅館御岳前)に到着。
乗務員もこの旅館で1泊されており、露天風呂にて御岳線にまつわる話も聞けたことも・・・こちらでは鉄分濃厚な名湯を愉しみ、晴れれば間近に見える航空機や天体の数々を楽しむ事が出来ました。

終点 濁河温泉 ※夏季

終点 濁河温泉 ※冬季

濁河温泉 積雪の中の露天風呂 ※冬季

5.夜が明け、バスはチャオ御岳スキー場を経由し高山濃飛バスセンターへ

 この日の四輪駆動の路線バスは、濁河温泉からチャオ御岳スキー場を経由し高山市へ下山する路線にて運行。
濁河温泉から約20分のチャオ御岳スキー場からは、おんたけ交通の路線バスにてJR木曽福島駅から信州方面へのアクセスも可能です。
そして、濁河温泉から約90分で濃飛乗合自動車の本拠地高山バスセンターに到着。

濁河温泉、出発前の光景 ※冬季

チャオ御岳スキー場にて ※冬季

下山し、高山にて休む四輪駆動の路線バス

高山市内を行く観光路線バス

新穂高温泉と高山を結ぶ路線バス

富山と平湯温泉を結ぶ路線バス

 濁河温泉への路線バスでのアクセスは、ご紹介した下呂駅・飛騨小坂駅ルートも、木曽福島ルートも廃止となり残念な限りです。
今回は以上です。次回も楽しみにおまちくださいまる

画像提供:@tadanoyopparai
※本記事は、「まる」の見聞と主観に基づいて構成しております。内容に関して掲載各社へのお問合せはご遠慮ください。